ラウンジチェアのような贅沢なゆったり感。
「1人掛けソファー」
「1人掛けソファー」は、1.5人掛けと言っても良いほどに広い横幅と奥行きは1人で座るには、十分なくらいの大きさです。
あぐらをかいて、リラックスするような使い方は、贅沢なラウンジチェアのような使い勝手をイメージさせます。
「硬い」からこそのリラックス感を。
「畳でくつろぐ」ような感覚のソファー
このソファーは「実に硬い」のが特徴です。
見た目に「パーン」と張りがあり、座った時には「硬い」としっかりと感じられる安定感のある「コシ」のある座り心地。
その心地良さは、柔らかいソファーの包みこまれるような気持ちよさではなく、しっかりと体を受け止めてくれる心地よさ。
もっとも近いイメージは「畳に寝転がっているような感覚」だと思います。
畳に寝転がると、もちろん硬いんだけれど、それでいてリラックスできる心地よさがあります。
コシがあり、頼りがいのある座面は、長く座っていても疲れづらく、硬い座面が沈まないことによって、寝転んでテレビを見ていても、体が疲れづらいという特徴を持っています。
畳に寝転がって、本を読んだりできる、そのまま寝てしまうような、硬いんだけれども、触感の柔らかさもあり、体を預けられる感覚。
そんな感覚を味わえるソファーが完成しました。
心地よい硬さの秘密は「モールドウレタン」。
何度も比重を変えて、ベストなものを探りました。
今回のソファーは、「モールドウレタン」と呼ばれる特殊な製法で作られるウレタンを使用しています。
モールドウレタンは、その硬さとともに、非常に耐久性に優れているのも、大きな特徴です。
通常よく使われるウレタンとの違いを、ご説明していきます。
スラブウレタン(通常よく使われるウレタン)
通常、ソファーに使うウレタンは「スラブウレタン」というものです。
イラストのとおり、発泡させた大きなウレタンの塊をカットして、ソファーに合わせた形を作ります。
大きな塊から切り出すため、いわゆる「パンの耳」の部分は、カットして使用しません。
ウレタンには気泡があるので、その気泡が座るたびに潰れたり戻ったりしていき、次第に戻る力がなくなりへたっていきます。
モールドウレタン(今回採用のウレタン)
それに対して「モールドウレタン」は、専用の形の金型(かながた)を作り、そのソファー専用の形状にウレタンを発泡させます。
つまり、「モールドウレタン」は、スラブウレタンでは使わなかった、外面の「パンの耳」部分を残した状態で、ソファーの部品として使います。
「パンの耳」部分は、高密度のウレタン壁になり、内部の気泡をつぶれづらくします。
この効果により、通常の「スラブウレタン」と比べて耐久性が高く、長くへたりの出づらいソファーを作ることができるのです。
ウレタンの比重
また、モールドウレタンをさらに強くするために、「比重」というものが重要です。
ウレタンの「比重」とは、同じ大きさをつくるためにどのくらいの溶剤を使用しているかに関係します。
少ない溶剤を使って、比重の低いウレタンを作ると、柔らかくしあがるものの「ヘタリ」が早くなります。
安いソファーが、すぐにダメになってしまうのは、ウレタンの質が低いからも大きく影響しています。
その点、今回のモールドウレタンは、36kg/平方メートルという非常に比重を上げた仕様にしています。
なので「モールドウレタン×高比重」という非常にへたりのでにくいウレタンに仕上がっているのです。
専用の金型をイチから製作し、モールドウレタンをこのソファー専用に作っています。(画像の中央の太いのがモールドウレタンです。)
良いソファーを作るには、柔らかなフェザーソファーにしても、今回のように硬いソファーにしても、やはり良い素材を使うと、お金がかかります。
ただ、最初の費用は高くても、長く使っていただくことを考えると、1日あたりの費用は逆に安くなるのだと思います。
何よりも、良質なソファーを使って、体を痛めず、心もリラックスするということは、プライスレスです。
細かな話にはなりますが、硬いモールドウレタンが直接お尻にあたると、やはり硬さを強く感じてしまいます。
ですので、表面には、モールドウレタンをサンドするように、薄く、柔らなスラブウレタンをつけ、硬いながらも、お尻あたりは柔らかさも感じるような工夫もしています。
このあたりも畳のような「硬いけれど、痛くない」を実現しているポイントです。
また、モールドウレタンの耐久性を実証するために専門機関「BOKEN」での耐久試験も実施しました。
この試験は「体重95kgの人が5万回座る」ことを想定したもので、ご家庭での平均1日20回座ると想定して7年間の使用の後に、どの程度のウレタンのへたりが発生するかの試験です。
試験の結果、座面は170mmの厚みのうち、わずか4mmしかたわみが発生せず、7年使った後にも2%しかへたらないことが実証されました。
背もたれは、フェザーを入れているため、空気を入れることによる復元が可能で、たわみは無しという結果でした。
試験範囲の都合上、7年以上の試験はしませんでしたが、この時点での変化の少なさから、それ以上の期間であっても、さして変わらないだろうと予測しています。